農村リサーチを軸に生活創作を考えるワークショップ「インフィールド・スタジオ2017 in シャンティニケタン」の開催が決定しました。開催場所は、詩人のR・タゴールが学校を創設した地としても有名なインド・西ベンガル地方にあるシャンティニケタンで、期間は2017年3月16日から22日までの7日間です。
本ワークショップに対し、日本から10名前後の参加者を募集します。建築もしくは、デザインや美術、民俗学など何らかの専門または活動を持つ、学生ならびに社会人が対象です。インド側から募る15名前後の参加者と共に課題に取り組みます。詳しい内容は、2016年12月23日の19時から、東京・三田の蟻鱒鳶ルで開催される説明会でお話します。
・参加者説明会
- 日時:2016年12月23日(祝)19:00~20:00
- 会場:東京・三田 蟻鱒鳶ル 東京都港区三田4-15-35
- 内容:1. これまでの活動の紹介・報告/ 2. 2017年度開催概要の説明/ 3. インドの風土他に関する小講義
- 上記説明会参加を希望される方も、名前、連絡先等を明記の上、下記宛にメールにて、御連絡ください。
⇒ インフィールドスタジオ 受付 / info@infieldstudio.net
【ワークショップ開催概要】
「In-Field Studio 2017 in Santiniketan」
■日程:2017年3月16日~22日の7日間
※参加者は3月15日に現地シャンティニケタン入りし、23日に発つことを予定。
(なお、23-30日の期間、南インドの藍染の村を訪問する旅程もオプションで用意している)
■場所:インド・西ベンガル州シャンティニケタンのケラダンガ村及びビスバ・バラティ大学構内
■2017年度テーマ :“土の色彩”
■ワークショップ内容:
1、ケラダンガ村(シャンティニケタン)の調査
(村の実測調査による総体的な把握をスタジオ全体の課題とする。一方で、参加者は各自の問題意識によって、その調査内容を臨機応変に変えて良い。参加者はいくつかのグループに分かれて作業を行う)
2、1の調査で得た知見を元に模型(モデル)の制作
(建築的模型、図面、ドローイング、その他粘土や竹、現地の布などを用いた造形物の制作を想定)
3、村内における小空間の制作、村民家の再建作業への参加
(いわゆる建築スケールの空間に限らない。衣服や家具などの人間生活に関わるさまざまな規模のモノを含む)
4、インド・日本(海外)の講師陣による連続講義
■主催:
・インフィールドスタジオ(In-Field Studio)http://infieldstudio.net/
・ビスバ・バラティ大学(Visva-Bharati University, Santiniketan)http://www.visvabharati.ac.in/
・バローダ・デザイン・アカデミー(Vadodara Design Academy, Vadodara)http://www.vda.ac.in/
■参加者の募集について:
・定員:10名程度(日本からの参加者として)
他に、ビスバ・バラティ大学からの8名程度、バローダ・デザイン・アカデミー及びインドからの8 名程度の参加者を予定。
・対象
- 建築、デザイン、美術、民俗学など何らかの専門または活動を持つ学生ならびに社会人
- 3月15日~23日の間、全行程に参加できる人
・集合について
:3月15日に会場に集合となります。(最適な飛行機、ルート等は別途ご紹介の予定あり)
・参加費について
:3万円前後を想定(金額は確定次第アナウンスのこと。参加費に含まれるもの、ワークショップ調整費、講義代、資料代、宿泊費。参加費に含まれないもの、渡航費、その他現地でかかる交通費と食事代など)
・応募締め切り:2017年1月15日(日)
参加をご希望の方は、名前、所属、連絡先、参加の志望理由を明記の上、下記宛にメールにて、御連絡ください。定員を上回る応募があった際は、審査となります。
⇒ インフィールドスタジオ 参加受付 / info@infieldstudio.net
■In-Field Studio”とは
In-Field Studioは、現地の環境風景(field landscape)を読み取り、また記録を試みた上で、 「生活」に関わる自分たちの構想力と実践力を高めていくための学校である。
過去3回にわたりインド西部バローダにて日本学生とインド学生が参加する国際ワークショップを開催してきた。特に2016年には古都バローダの都市中心部にて伝統的建築物の保存と再生をテーマとした実践に取り組んだ。そして2017年は場所を農村地域に移し、自然環境と人間生活のあり得る関係性を探りたい。
インド・ベンガル地方内陸部に位置するシャンティニケタン(Santiniketan)には、20世紀初頭にインドを代表する詩人ラビンドラナート・タゴールが設立した学校ビスバ・バラティ大学(Visva-Bharati University)がある。 設立当初はわずか教師5人と学生6人の小さな学校で、野外の木陰に円座する形で授業が行われた 。その青空教室の形式は100年が経った今も変わらずこの大学で続けられており自然豊かな学びの環境がある。またタゴールは当時の農村生活文化の保全と再生を意図し、積極的に周囲の農村生活と結びついた学校プログラムを実践していた。
現在のシャンティニケタンの村を見てみると、大学からはみ出た芸術的空気が村にも漂い、そこには土着の農村生活と芸術のごく自然な和合があった。この状況は、タゴールが描いたあるべき人間生活の端緒であるとともに、翻っては日本の岡倉天心の「総合芸術」という世界観 、さらには宮沢賢治の「農民芸術」が描こうとした創作世界に通じる可能性があるのではないだろうか。
私たちは、そうしたかつての偉大な試みを現代の我々の作業との連関を探りながら、さらなる発展の形を目指したい。
佐藤 研吾 (Assistant Professor, Vadodara Design Academy)
■お問い合わせ連絡先:
Email: info@infieldstudio.net